人生100年時代を温める ―シニアとサウナの健康法:科学が示す「ととのう老後」―
番号 100
世界で注目されている温熱健康法
先日、海外の健康関連ニュースで「サウナ入浴の習慣が心臓病や認知症のリスクを下げる可能性がある」という研究結果が報道されていました。
フィンランドの大学研究チームが中高年男性を20年以上追跡した調査によると、定期的にサウナを利用している人ほど死亡率が低く、心血管疾患やアルツハイマー型認知症の発症率が低い傾向にあったといわれています。
このニュースは日本国内のメディアでも紹介され、「サウナは若者の一過性の流行ではなく、シニア世代の健康習慣として再評価されつつある」と伝えられていました。
特に注目されたのは、激しい運動が難しくなる年代でも、身体への負担が比較的少ない形で健康効果が期待できる点だそうです。
また別の報道では、日本国内の温浴施設において60代以上のサウナ利用者が年々増加していると紹介されていました。
平日昼間のサウナ室では、中高年層が中心となっている施設も少なくないといわれています。
背景には、「健康寿命を延ばしたい」「できるだけ自立した生活を長く続けたい」「薬や医療への依存を減らしたい」といった思いがあると考えられています。
医療費や介護費用が社会的な課題となる中で、自分の体を自分で整える方法としてサウナに注目が集まっているといわれています。
こうした世界的・国内的な動向から、サウナは単なる娯楽や気分転換ではなく、中高年にとっての生活習慣の一部になりつつあると考えられているようです。

「温めるだけで体が変わる?」―サウナと健康の関係が示されていること
サウナの健康効果については、特に北欧諸国を中心に多くの研究が行われてきたといわれています。寒冷な地域で長年親しまれてきたサウナは、文化的存在であると同時に、医学的な研究対象でもあるそうです。
代表的な疫学研究では、週に2~3回サウナを利用する人は、ほとんど利用しない人と比べて心血管疾患による死亡リスクが低かったと報告されています。さらに、週4回以上利用する人では、その傾向がより強く見られたとされています。
サウナ中に体温が上昇すると血管が拡張し、血流が改善されると考えられています。その結果、血圧が一時的に低下し、血管の柔軟性が高まる可能性があるといわれています。この反応は、軽い有酸素運動に近い生理的変化だと説明されることもあるそうです。
また、近年は自律神経への影響にも注目が集まっています。サウナ浴と休憩を組み合わせることで、副交感神経が優位になりやすく、慢性的な緊張やストレスが和らぐ可能性があるといわれています。睡眠の質が向上したと感じる人が多いという報告も見られるそうです。
さらに、長期的な観察研究では、サウナ利用頻度が高い人ほど認知症の発症率が低い傾向にあったとも伝えられています。脳血流の改善や炎症反応の抑制など、複数の要因が関係しているのではないかと考えられているようです。
これらの研究結果から、サウナは単なるリラクゼーションではなく、循環器系・神経系・精神面に幅広く関与する可能性がある健康習慣として位置づけられています。

「なぜ今、シニアがサウナに通っているのか」―増えている利用者の事例
近年、日本国内の温浴施設では、中高年層のサウナ利用が増加しているといわれています。温浴事業者や業界団体の調査によると、60代以上の利用者割合が数年前と比べて大きく伸びているそうです。
特に平日昼間の時間帯では、サウナ利用者の中心が中高年層になっている施設も多いと報告されています。
ある60代の夫婦は、定年後に運動不足を感じていたものの、激しい運動は続かなかったため、低温サウナを取り入れた生活を始めたといいます。数か月後には、肩こりの軽減や寝つきの改善を感じるようになり、外出の機会が増えたそうです。
また、70代の男性では、高血圧の管理の一環として、医師の助言を受けながら短時間のサウナ利用を続けた結果、体調の変化を前向きに感じるようになったという話も聞かれています。
さらに、高齢者向けのデイサービスや地域施設では、低温・遠赤外線サウナを活用した取り組みが広がっていると紹介されています。身体機能の維持だけでなく、「通う楽しみができた」「表情が明るくなった」といった声が増えているそうです。
こうした事例から、サウナは「努力や根性が必要な健康法」ではなく、自然に生活に溶け込みやすい健康習慣として支持されていると考えられています。

「無理をしないから続く」―シニア世代に合ったサウナ習慣と前向きなすすめ
サウナの健康効果を期待するうえで大切なのは、若い人と同じ入り方をしないことだといわれています。
一般的には、
・60~80℃程度の低温
・1回あたり5~10分程度
・水風呂は必須ではない
・十分な休憩と水分補給を行う
こうした利用方法が、中高年には適しているとされています。
持病がある場合には、医師と相談しながら進めることが望ましいとも言われています。サウナは万能な健康法ではありませんが、正しく取り入れることで生活の質を支える一助になる可能性があると考えられているようです。
サウナの価値は、数値で測れる健康効果だけではありません。
・外出のきっかけになる
・生活リズムが整う
・人との交流が生まれる
こうした社会的・心理的な側面も、中高年期の健康にとって重要だといわれています。
無理な運動を続けるよりも、
気持ちよく、長く続けられる方法を選ぶ。
その選択肢の一つとして、
ご自身の体調に合わせたサウナ習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか?
