「オレをボケ老人扱いするのか!!」そんな父をも認知症検査に自然に向かわせた“誘導術”とは

番号 119

# 介護録

# 大切な家族へ

「オレはまだ大丈夫」父を変えた“否定しない会話”

先日、認知症の早期発見について特集しているテレビを見ました。
認知症は早めの対応が重要と言われていますが、実際には“検査拒否”も非常に多いそうです。

東京都内に住む美咲さん(仮名・42歳)も、その問題に直面していました。

父・和夫さん(74歳)は最近、同じ話を繰り返したり、冷蔵庫に同じ食材を何個も買ってきたりすることが増えたそうです。

美咲さんが思い切って、

「一回、病院で診てもらわない?」

と声をかけると、父は急に怒ったと言います。

「オレをボケ老人扱いするのか!」

それ以降、“認知症”という言葉を出すだけで険悪な空気になったそうです。

親介護では、この最初の壁に悩む子世代が多いと言われています。

そんな中、地域包括支援センターの相談員から、ある助言を受けたそうです。

「真正面から“認知症検査”と言わない方がいいですよ」

高齢者は、“能力を否定される感覚”に強く反応するそうです。
特に仕事を頑張ってきた世代ほど、プライドが傷つきやすいと言われています。

そこで美咲さんは、“病院の説得”をやめました。

代わりに始めたのは、父の昔話を聞くことでした。

「営業時代って忙しかった?」
「一番大変だった仕事って?」

すると父は、昔の話を楽しそうに話し始めたそうです。

認知症ケアでは、“否定しない会話”が信頼関係を作ると言われています。

数日後、美咲さんは自然な流れでこう言いました。

「最近、“脳の健康チェック”受ける人多いらしいよ」

“認知症検査”ではなく、“健康管理”として伝えたのです。

すると父は、

「脳年齢とか分かるのか?」

と少し興味を示したそうです。

人は“説得”されると反発しやすい一方、自分で決めた感覚があると動きやすいと言われています。

「病院のあと、洋食食べに行こう」その一言で父は車に乗った

検査当日の朝。
美咲さんは、父が急に嫌がるのではと不安だったそうです。

案の定、父はこう言いました。

「本当に今日行く必要あるのか?」

そこで美咲さんは、病院の話ではなくこう返しました。

「終わったら、昔好きだった洋食屋さん行こうよ」

すると父の表情が少し和らいだそうです。

実は、高齢者支援では、“病院だけの日”にしない工夫が効果的と言われています。

ランチ。
買い物。
ドライブ。

“ついで”があるだけで、心理的負担が減るそうです。

車の中では、父の好きな昭和歌謡を流しました。

病院に着いても、美咲さんは“認知症”という言葉を使わなかったそうです。

「健康チェックみたいなものだから」

待合室には同年代の男性も多く、父は少し安心した様子だったと言います。

検査後、医師からは「MCI(軽度認知障害)の可能性があります」と説明されたそうです。

ただ、医師はこう続けました。

「今なら生活改善で進行を遅らせられる可能性があります」

帰り道、父は小さく言ったそうです。

「最近、ちょっと忘れること増えてたんだよな」

本人も、不安だったのです。

でも、“認知症”という言葉が怖かった。

これは多くの家庭で起きていることだと言われています。

その後、美咲さんは言葉を変えるようになりました。

「忘れたの?」ではなく、
「一緒に確認しようか」

すると、家の空気が少し穏やかになったそうです。

認知症対策は、家族の言葉選びから始まるとも言われています。

認知症検査を嫌がる親に共通する“心理”とは

厚生労働省によると、日本では認知症とMCIの人が年々増えていると言われています。

一方で、早期受診を嫌がる人も少なくないそうです。

理由として多いのは、

・「まだ大丈夫」
・「認知症だと思われたくない」
・「人生が終わる気がする」

といった不安だと言われています。

国立長寿医療研究センターなどでも、認知症初期は本人にも自覚があり、不安を隠すため怒りっぽくなるケースがあるそうです。

つまり、“拒否”の裏には恐怖がある場合も多いのです。

そのため最近は、

・「認知症検査」ではなく「健康チェック」
・命令口調を避ける
・本人の得意分野を否定しない
・“ついで外出”を活用する

といった方法が有効と言われています。

認知症は、“診断されたら終わり”ではないそうです。

早めに気づき、生活改善や周囲のサポートを始めることで、穏やかに暮らせる期間が長くなるとも言われています。

美咲さんは最後に、こう話していました。

「“認知症かどうか”より、父が安心して暮らせる方が大事でした」

親介護の入り口では、正論よりも、
“相手のプライドを守る言葉”
それが一番大切なのかもしれません。

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