「追い出されるなんて聞いてない…」 費用未払い以外で介護施設を退去した“本当にあった理由”

番号 121

# 制度

# 大切な家族へ

「突然の退所通告・・」ではないようです

先日、夕方のニュース番組で「介護施設から退去を求められる高齢者が増えている」という特集を見ました。
入居待ちが何十人もいる施設の現場で、職員の方が「受け入れたくても、対応できないケースが増えている」と話していたのが印象的でした。

番組では、70代の男性が施設の廊下で「ここを出たら行く場所がないんだよ…」とぽつりと漏らしていました。
隣にいた娘さんらしき女性は、何度も頭を下げながら施設長と話していましたが、その表情は疲れ切っていたそうです。

介護施設というと、“一度入れば最後まで安心して暮らせる場所”というイメージを持つ方も多いかもしれません。
ですが実際には、費用未払い以外にも、さまざまな理由で退去を求められるケースがあると言われています。

しかも、その多くは突然です。

「まさか自分の親が」
「そんな理由で退去になるなんて知らなかった」

そう感じる家族が少なくないそうです。

親介護がまだ“少し先の話”に思える世代ほど、こうした現実を知らないまま施設探しを始めてしまうとも言われています。

契約書の数行。
入居前説明で軽く触れられるだけの内容。
その小さな確認不足が、後になって大きな問題になることもあるそうです。

そして何より怖いのは、退去問題が起きる頃には、家族もすでに心身ともに限界に近い状態になっていることだと言われています。

仕事をしながらの親介護。
病院とのやり取り。
施設との連携。
突然の呼び出し。

「もっと早く知っておけばよかった」

そんな声が、番組では何度も紹介されていました。

「父が暴れたんです…」“穏やかな人”が退去対象になった夜

「うちの父は温厚だから大丈夫です」

そう話していたのは、都内で働く48歳の会社員・佐藤さんでした。
一人暮らしだった父親が認知症と診断され、転倒も増え始めたため、有料老人ホームへの入居を決めたそうです。

施設見学の時、スタッフはとても親切で、父親も穏やかな表情を見せていました。
「ここなら安心ですね」
家族全員がそう感じていたそうです。

ところが入居から3か月ほど経った頃、施設から一本の電話が来ました。

「最近、夜間に興奮されることが増えていまして…」

最初は、夜中に廊下を歩き回る程度だったそうです。
しかし徐々に、職員を怒鳴る、他の入居者の部屋に入る、食事を投げるなどの行動が出始めたと言われています。

認知症では、“夕暮れ症候群”や“せん妄”と呼ばれる状態が起こることがあるそうです。
昼間は落ち着いていても、夕方から急激に不安定になるケースがあると言われています。

佐藤さんは何度も施設へ駆けつけました。
「父さん、落ち着いて」
そう声をかけても、父親は「家に帰る!」と怒鳴るばかりだったそうです。

ある夜、ついに他の入居者を突き飛ばしてしまいました。

数日後、施設長との面談が設定されたそうです。

「安全管理上、このままのご利用継続は難しいかもしれません」

佐藤さんは頭が真っ白になったと言います。

「え…退去ですか?」

施設側も苦渋の判断だったそうです。
ただ、集団生活では他の利用者の安全確保も必要になります。
特に夜勤人数が限られる施設では、1人への対応が全体運営に大きく影響するそうです。

ここで佐藤さんが初めて知ったのが、契約書に書かれていた
「共同生活が困難と判断された場合は退去対象となる」
という一文でした。

入居時はそこまで深く読んでいなかったそうです。

結局、父親は医療対応型の施設へ移ることになりました。
費用は以前より高額になり、空き待ち期間はショートステイを転々としたそうです。

「施設に入れれば終わりだと思っていました」

佐藤さんはそう振り返っていました。

親介護では、“今の状態”だけで施設を選ぶと危険だと言われています。
認知症は進行によって症状が変化するため、“将来的にどこまで対応可能か”を確認することが重要だそうです。

特に、

  • 夜間徘徊
  • 暴言暴力
  • 医療依存度の上昇
  • 他利用者とのトラブル

などへの対応範囲は、施設によってかなり差があると言われています。

「認知症対応可」と書いてあっても、実際には軽度中心の場合もあるそうです。

“入れる施設”と“最後までいられる施設”は違う。

これは、多くの家族が後から痛感する現実なのかもしれません。

「胃ろうになったら無理です」突然始まった“施設探し地獄”

「退院後は施設に戻れますよね?」

そう聞いた時、病院の相談員が少し困った顔をしたそうです。

神奈川県に住む田中さん(52歳)は、母親を介護付き施設へ入居させていました。
母親は比較的元気で、食事も自力で摂れていたそうです。

ところがある冬、誤嚥性肺炎で緊急入院。
そこで医師から言われたのが、

「今後は胃ろうを検討した方が安全かもしれません」

という言葉でした。

胃ろうとは、お腹に穴を開けて栄養を入れる医療処置です。
高齢者介護では珍しくない対応と言われています。

田中さんは「命が助かるなら」と同意したそうです。

しかし問題はその後でした。

施設へ連絡すると、返ってきたのは予想外の返答だったそうです。

「医療対応の範囲を超えるため、再入居は難しいです」

田中さんは耳を疑いました。

「え?今までずっと入っていたのに?」

ですが施設側にも事情があるそうです。
医療行為には看護師配置や対応体制が必要になります。
施設によっては、胃ろう、たん吸引、インスリン管理などへ十分対応できない場合があると言われています。

特に夜間看護師が常駐していない施設では、対応困難になるケースがあるそうです。

そこから田中さんの“施設探し地獄”が始まりました。

問い合わせても、

「現在満床です」
「胃ろう対応はしていません」
「看取りのみ対応です」

そんな返答ばかりだったそうです。

仕事をしながら病院へ通い、施設へ電話し、ケアマネと相談する日々。
気づけば心身ともに限界だったと言います。

親介護では、
“医療”と“介護”の間に大きな壁がある
と言われています。

家族からすると「少し状態が変わっただけ」に見えても、施設区分では大きな違いになるそうです。

さらに厄介なのが、“今は対応可能でも将来は難しい”ケースがあることです。

例えば、

  • 酸素吸入
  • 点滴
  • 人工透析
  • 頻回なたん吸引
  • 認知症悪化による医療管理

などが追加されると、継続困難になる場合があるそうです。

田中さんは後から契約書を読み返しました。

そこには小さく、

「常時医療行為が必要となった場合、契約継続が困難になる場合があります」

と書かれていたそうです。

「もっと早く確認すれば良かった」

そう話していたそうです。

最終的に、母親は医療対応型の老人ホームへ移ることができました。
しかし空き待ちに数か月かかり、その間は高額な療養病床を利用するしかなかったそうです。

最近では“看取り対応”を掲げる施設も増えていると言われています。
ただし、どこまで対応できるかは施設によってかなり違うそうです。

親介護では、
「今の状態で入れるか」だけではなく、
「状態が変化した後も住み続けられるか」
を確認することが非常に重要なのかもしれません。

「家族がクレーマー扱いに…」誰も想像しなかった退去理由

「もう限界です」

施設長からそう言われた時、高橋さん(50歳)は言葉を失ったそうです。

退去を求められていたのは父親でした。
しかし原因は、父親本人ではなかったそうです。

きっかけは、小さな不満だったと言われています。

「服がなくなった」
「オムツ交換が遅い」
「食事介助が雑に見えた」

高橋さんは真面目な性格で、父親を大切に思っていたそうです。
だからこそ気になる点を毎回施設へ伝えていたと言います。

最初は施設側も丁寧に対応していました。

ですが徐々に連絡頻度が増えていったそうです。

毎日の電話。
深夜のメール。
面会時の長時間クレーム。

やがて職員が萎縮し始めたと言われています。

ある日、高橋さんは入浴介助中の対応に怒り、強い口調でスタッフを責めたそうです。

すると後日、面談でこう言われました。

「職員の心理的負担が大きく、継続対応が難しい状況です」

つまり、
“家族対応困難”として退去判断になった
そうです。

高橋さん自身、悪気はなかったと言います。

「父を守りたかっただけなんです」

その気持ちは、多くの介護家族が共感するものかもしれません。

親介護では、罪悪感や不安から“完璧な介護”を求めてしまうことがあるそうです。

ですが現実の介護現場は、人手不足も深刻です。
スタッフが少人数で何十人もの利用者を支えている施設も珍しくないと言われています。

もちろん、施設側に問題があるケースもあります。
ただ一方で、過度な要求や強い圧力が続くと、関係性が壊れてしまうこともあるそうです。

特に最近は、
「カスタマーハラスメント対策」
を明確化する施設も増えていると言われています。

高橋さんは後になって、ケアマネからこう言われたそうです。

「“敵”ではなく、“チーム”として話せると違ったかもしれませんね」

その言葉が胸に刺さったと言います。

結局、父親は別施設へ移ることになりました。
しかし転居直後は混乱が強くなり、認知症症状も悪化したそうです。

環境変化は高齢者に大きな負担になると言われています。

だからこそ、
“退去にならないための関係づくり”も大切なのかもしれません。

施設選びでは、

  • どこまで対応可能か
  • 緊急時の方針
  • 医療対応範囲
  • 家族との連携方法
  • クレーム対応ルール

などを事前確認しておくと安心だそうです。

そして何より、
「親を安心して任せる場所」ではなく、
「家族も一緒に支える場所」
という感覚を持つことが大切なのかもしれません。

もしこれから親介護が気になり始めているなら、
一度、親御さんと将来の介護について話し合ったり、近隣施設の見学だけでもしてみてはいかがでしょうか?

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