思わず自分の子にも言ってしまった、 親が引用しがちな"格言"三選

番号 131

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飲み会で始まった「親の格言あるある」

この前、会社の飲み会で同僚と子育ての話になりました。

「最近さ、息子に説教してたら、親とまったく同じこと言ってる自分に気付いてさ…。」

その瞬間、全員が大爆笑。

「あるある!」

「俺んちは山本五十六が絶対崇拝でしたね。
ってか、‟いそろく”って名前が気になって、何も入ってこなかったですけど・・」

「うちは松下幸之助。レストラン勤めなのに何に刺さってたのか、、」

「うちなんか、べたべたの日本人なのに孔子。会った事あんのかよ??って」

もはや親たちは偉人を何人抱えていたんだ…。

話しているうちに、一人が言いました。

「でもさ、なんか超酔いしれて言ってくるんだけど、ってか、親が一番できてなくない??って・・ww」

爆「それ!!!!」

親が一番好きだったのは、偉人の格言を子供にインプットする自分。

そしてどこの親も、これ以上にないぐらい高い棚に、堂々と自分を上げていました。

仕事なんかでも‟おまゆう”上司が使う 『棚上げ格言三選』

とはいえ、笑い話にできるぐらい意外とみんな覚えていました。

お酒も進み、‟親の棚上げ案件”が止まらなくなってきた時、

「この前会議でも、オマエ言ってたぞ!!」

と誰かが突っ込み始めていました。

結局、何だかんだで親の教えは脈々と引き継がれ、今では堂々と子供のみならず部下や同僚、後輩にまで如何なく使われている顛末でした。

そんな中でも、印象に残った”棚上げ”エピソードTOP3はこんな偉人達でした。

第3位 山本五十六

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ…」

仕事はできないけど、飲み会の仕切りだけはピカイチの後輩のお父様は、この格言が大好きだったそうです。

「人に教える時は、まず自分でやって見せるんだ。」

子どもの頃は、

「なるほど。」

と思って聞いていたそうです。

ところが数年後。
遠い田舎で5時間近くかけて久々帰省した初日に、そのお父さんが新しいスマホを買い替えたらしく、

「LINEの引っ越しやっといて。」

「Wi-Fiつながらない。」

「写真どこいった?」

「……いや、そこ、お得意の"やってみせ"じゃないの?、、、」

五十六歳のお父さんに、半日近く付き合ったそうです。

第2位 松下幸之助

有名レストランの料理人だった他の同僚のお父様は"経営の神様"と言われた、この人の言葉をよく引用していたといいます。

「失敗することを恐れるより、何もしないことを恐れよ。」

そのお父様は昔から、

「挑戦しろ。」

「失敗してもいい。」

そう言っていだそうです。

「さすが料理人、新しいメニューを次々と開発し、松下幸之助とは事業の畑は違えど、本質は変わらないんだ・・」と子供心に、ちょっと自慢すらしていたそうです。

ところが年を経て、すっかり包丁を置いたお父様は、ガラケーっぽいシニアスマホを片手に

スマホ決済。

ネット銀行。

マイナポータル。

全部、

「怖いからいい。」

同僚が一言。
「挑戦しない自分、恥ずかしいよな?」

するとお父さん、逆ギレ気味に

「だって難しいじゃんか!?、もっと簡単に作れよぉぉ!!!」

奇しくも、使っている携帯はパナ◯ニックでした。

同僚、さらに一言

「松下幸之助にあやまれ。」

第1位 渋沢栄一

また、いつも自分は飲まないのに支払いだけは酔っ払いレベルで支払ってくれる上司のお父さんは、お札のあの人の言葉をよく引用されていたそうです。

「夢なき者は理想なし。」

もう亡くなってしまったそうですが、その上司のお父様は若い頃から、

「夢を持て。」

が口ぐせだったそうです。

でも定年後の夢を聞くと、

「今日は昼まで寝る。」

「昼はラーメン。」

「午後は昼寝。」

「夜は阪神戦。」

上司が笑いながら聞きました。

「お父さんの夢って、それ?」

上司のお父さん父は真顔で答えたそうです。

「理想の休日だ。」

……そら、やっぱり一万円札にもなりますよね。

親から引き継がれる‟棚上げ格言”

飲み会の帰り道、私はふと思いました。

「みんなの事、散々笑ってたけどオヤジも同じような事言ってたよな・・。」

自営業の父は、読書が趣味という事もあり、政財界や経営者だけでなく、スポーツや芸能人に至るまでやたら偉人伝を語り尽くした挙げ句、事業で失敗しまくって多額の借金を残し、

「あとはお前のチャレンジだ」

とワケの分からない事を言ってこの世を去った"棚上げエリート中のエリート"でした。

そんなサラブレットな私ですが、同じような境遇の話に上機嫌で家に帰ると、絶賛反抗期中の息子がバイトがつらいからやめたいと相談してきました。

「まずやってみろ。」

「失敗を恐れるな。」

「続けることが大事だ。」

と、いつも通りの”刺さるであろうキラーワード”を繰り出した瞬間、息子が真顔で

「でも、お父さんだって、この前ランニング三日でやめてたじゃん。」

いやいや、誤解したらイカンよ、あれは靴が悪く
、、

「資格の勉強もするって本も買ってたよね?」

それは……買ったら受かった気になっちゃったし、、、

「まず、お父さんが頑張れば?」

…………。

棚上げエリートと散々揶揄して、「自分は違う」と思っていながらも、気づけば親になった自分もしっかり棚上げエリートを受け継いでいた事を突きつけられ、一気に酔いがさめました。

でもきっと父も、こんな気持ちで全部できていたわけじゃなかったんだ。

理想と現実の間で悩みながら、それでも子どもには少しでもいい人生を歩んでほしくて、偉人の言葉を借りていただけだったのかもしれません。

そう考えると、親の格言は「人生の正解」ではなく、「子どもへの願い」だったのでしょう。

翌日、靴も本も無事売り払ったお金で息子のバイト先に行って、「こうはなるなよ」の‟やってみせ”をやったのは言うまでもありません。

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