「待機中の、あの“確認電話”はそうだったのか・・」母の特養が急に決まった理由

番号 138

# 制度

# 介護の準備

特養待機中にある、あの「謎の連絡」

以前、母が特養に申し込んでいたときの話です。

申し込んでから、もうしばらく待っていました。

その間、施設の職員さんから時々電話がかかってきます。

「お母さまの体調はいかがですか?」

「食事は取れていますか?」

「歩くことはできますか?」

そんなことを聞かれます。

そのたびに、

「できないから、特養を待ってるんですけど……」

と、心の中で思っていました。

ところが、ある冬。

状況が一気に変わりました。

その年の冬は、ちょっとおかしかった

その冬は、ものすごい大雪でした。

実家の様子が気になって、見に行きました。

すると、家の中が大変なことになっていました。

雨漏りしていた場所に水が溜まり、それが凍っていたのです。

「これは、ちょっとまずいな……」

母はそこで生活しています。

ただでさえ高齢の母が、この家で冬を越すのはかなり厳しい。

しかも、本人の体調だけではありません。

家そのものが、もう安心して暮らせる状態ではなくなっていました。

そこで、特養の職員さんに、その状況を話しました。

「母の体調もそうなんですが、実は大雪で家の雨漏りがひどくて。漏れた水まで全部凍ってしまって……」

すると、職員さんが言いました。

「そうですか……」

それまでの電話とは、少し空気が違いました。

「体調」だけの問題ではなかった

それから、しばらくして。

施設から連絡がありました。

入所について、話を進めたいということでした。

「えっ?」

こちらとしては、少し驚きました。

もちろん、母の体調も以前から良くありませんでした。

でも、ずっと待っていたのです。

それが、家の状況を伝えた後、急に話が進みました。

そのとき初めて、

「ああ、特養って、母の体調だけを見ているわけじゃないんだ」

と思いました。

考えてみれば当然です。

同じ要介護度の人でも、

一人暮らしなのか。

家族が近くにいるのか。

家で安全に暮らせるのか。

介護する家族がどれくらい負担を抱えているのか。

状況はそれぞれ違います。

そして、母の場合は、

「この家で、この冬を過ごせるのか」

という問題まで出てきていました。

「最近どうですか?」には、ちゃんと意味があった

厚生労働省によると、特養は原則として要介護3以上の人が対象で、入所は申し込み順に機械的に決まるわけではないそうです。

本人の心身の状態だけでなく、家族の状況なども踏まえて、入所の必要性が高い人から優先して判断されます。

だから、待機中に施設から、

「最近、お母さまはどうですか?」

と聞かれたら、

「また同じこと聞くの?」

と思うかもしれません。

私も、そう思っていました。

でも、今なら分かります。

「最近どうですか?」は、体調だけを聞いていたわけではなかったのです。

生活そのものがどうなっているのか。

家族がどれくらい困っているのか。

今の環境で、本当に安全に暮らせているのか。

そういうことも含めて、状況を確認していたのです。

母の場合、それを大きく変えたのが、

「大雪で、実家の雨漏りが全部凍ってしまった」

という出来事でした。

介護は、昨日まで大丈夫だったことが、今日突然大丈夫ではなくなることがあります。

体調かもしれません。

転倒かもしれません。

家族の仕事かもしれません。

そして、母のように、

「家そのものが危なくなる」

ことだってあります。

もし特養を待っているなら、何か状況が変わったとき、

「こんなことまで言っていいのかな」

と思わず、施設やケアマネジャーに伝えてみてください。

それが、思っていた以上に大きな意味を持つことがあります。

そして何より。

あのときの私は、

「だから特養を待ってるんですけど」

と思っていました。

でも、今振り返ると、

あの電話は、待っている人の状況を確認するための電話だったんですね。

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