親の「しがち」行動 最終回 -何それ?編ー

番号 142

# 介護録

# 大切な家族へ

ちょっと残して、保存しがち

夕飯のあと。

「これ、もう食べ切れば?」

「まだ食べるから」

お皿には、ほんの一口。

「いや、それだけ?(笑)」

「まだあるでしょ」

そう言って、丁寧にラップ。

「明日食べるから」

翌日。

「これ、昨日のだよね?」

「そう」

「食べないの?」

「今日はいい」

「じゃあ、なんで残したの(笑)」

そのまま冷蔵庫へ。

そして数日後――

「これ、いつの?」

「冷凍しといた」

「……なんで?」

「冷凍すれば大丈夫だから」

どうやら親の中では、

ラップすれば数日。
冷凍すれば、かなりいける。

という謎のルールがあるらしい。

冷凍庫を開けると、

「これ何?」

「知らない。ずっと前からある」

「じゃあ、なんで冷凍してるの(笑)」

親、ちょっと残して、
ラップして、
最後は冷凍しがちです。

そして冷凍庫には、正体不明の何かが増えていきます。

絶対に謝らない

「お母さん、これ頼んでたやつと違うよ」

「そう?」

「うん。こっちじゃない」

「でも、こっちのほうが安かったから」

「いや、安いとかじゃなくて(笑)」

「使えるでしょ?」

「使えるけど……」

「じゃあ、いいじゃない」

「いや、頼んだのと違うもの買ってきたんだから、普通は『ごめん』じゃない?」

すると、

「そんなことで謝らなくてもいいでしょ」

「いや、そんなことって(笑)」

別の日。

「これ、ちょっと焦げてるよ」

「そう?」

「うん、結構(笑)」

「食べられるわよ」

「……まあ、食べられるけど」

「じゃあいいじゃない」

「なんで一回も謝らないの(笑)」

「別に失敗したわけじゃないもの」

「焦げてるじゃん(笑)」

何かあっても、

「でも」
「だって」
「大丈夫」

そして――

「ごめん」が、なかなか出てこない。

親、明らかに自分が悪くても、
絶対に謝らないときがちです。

「一言『ごめん』で終わるのに(笑)」

自分の話に持って行きがち

「この前、友達がスマホを買い替えたんだって」

「そういえば、お母さんも昔、携帯を買い替えたとき大変だったのよ」

「いや、友達の話なんだけど(笑)」

「最初は使い方が全然分からなくてね」

「うん……」

「電話をかけるだけでも、説明書を見ながらだったんだから」

「それで?」

「でも、慣れたらメールもできるようになったの」

「すごいね」

「昔はもっと大きい携帯だったけどね」

「話がどんどん変わってる(笑)」

別の日。

「今日、会社でこんなことがあってさ」

「お母さんも昔、仕事で似たようなことがあったわ」

「そうなの?」

「そのときはね、誰も助けてくれなくて」

「大変だったね」

「だから自分で全部やったのよ」

「……僕の話は?」

「ちゃんと聞いてるわよ」

「聞いてるけど、最後はお母さんの話になってる(笑)」

親、誰かの話を聞いていても、
いつの間にか自分の話に持って行きがちです。

そして気づけば、話の主役が親になっています。

3回にわたってお届けした、
親の「しがち」行動。

「うちの親もやる(笑)」
そんなのが、ひとつくらいあったのではないでしょうか。

ちょっと不思議で、
ちょっと面倒で、
でも、なんだか憎めない。

そんな親の「しがち」。

今日もどこかで、
またやっているかもしれません(笑)。

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